[レポート] IoTデータ分析でのLooker活用と社内関係者への普及に向けて – Looker: BEACON Japan 2020 #BeaconJapan
Looker社によるロードマップ、顧客事例、パートナー企業によるセッションが堪能出来るデジタルイベント『BEACON Japan 2020』が2020年09月03日から2020年09月24日までの毎週木曜日、計4日間に渡り開催されています。
当エントリでは、その中から2020年09月10日に発表された「IoTデータ分析でのLooker活用と社内関係者への普及に向けて」のレポートをお届けします。
セッション概要
公式ページで紹介されているセッションの概要情報は以下の通りです。
登壇者:
・田村 仁志 氏, 成長推進室デジタライゼーション推進グループ 主席チーム統括, 三菱重工業株式会社
発表内容:
当社は社会インフラや産業インフラ分野で主に機械製品を製造しております。実際に運用中の機械からIoTを活用してデータを取得・分析するニーズはお客様、社内から高く、これまで以上にスピーディに対応すべくLookerを今春より導入しました。まずは1つの製品のIoTデータ分析でLookerの活用方法の試行錯誤している内容や、分析部門以外での今後の活用についてお話しさせていただきます。
セッションレポート
イベントのセッション動画については下記リンクにてアクセス可能です。
三菱重工の紹介
- 1884年に創業した歴史の長い企業
- いわゆる「モノづくり」の企業
- 日本全国に拠点あり
- 社是について
- Google Cloudの方とお話した機会があった
- 三菱重工の社是の内容とGoogleのスピリッツが似ているという話を(Googleの方から)言われた
- 三菱重工で作っているもの
- 防衛関係
- ロケット、船、飛行機など
- 一番規模が大きのはエネルギー関係
- 発電所関係
- その他
- ごみ焼却場
- エアコン
- 防衛関係
- 大小問わず、様々なモノを製造
- データ分析も多種多様になってくる
- デジタルエクスペリエンス推進Gについて
- 2020年の春に設立された
- アフターサービスに関する部分のデジタル化
- モノを買ってもらったあとの業務
- カスタマーエクスペリエンスの最大化を目指す
- 田村氏はデータ分析のチームに所属
- ビジネスの検討も他チームと一緒に遂行する
- データベース構築等も実施する
Looker導入の経緯
- 「データ分析における課題」について
- 色々なものが複合して発生している課題が多い
- トライアンドエラーを繰り返してやるしかないところがある
- 時間との戦い
- 予測から集計系の分析まで行っている
- 分析結果の可視化もある
- これまではPython+Jupyter Notebook
- それ以外のツールも必要かもしれないと考えた
- 他部署とのスピーディーな連携も必要
- どういうBIツールを導入するか
- 今までのツールは捨てずに併用する方向で
- 将来的には社外も(データ分析に)巻き込んでいきたい
- お客さんがある機械を導入したとき
- (アフターサービスに役立てるため)その機械の分析を実施する必要がある
- 同一顧客×機種別の分析
- 同一機種×顧客別の分析
- 将来的には経営に関するデータも分析したい
- 顧客満足度など
- 社外ユーザーも管理する必要がある
- Lookerを導入
- データ定義がしやすい
- コードで管理できる
- データ分析事業を拡大するときに有用と考えた
- 他サイトへの埋め込み機能が優れている
- アクセス制御が柔軟である
- 導入前にPoCを実施
- クラスメソッドが支援しました
- 導入後も継続して技術支援を行っています
現在の利用事例
- Looker自体の話の前に、データ分析チームの業務フローについて説明
- 分析対象のデータの検討
- 本番用データと検証用データの準備
- 加工・整形
- 基礎分析や機械学習を用いた予測
- フィードバックと再分析を繰り返す
- 最終的にはダッシュボードにして可視化
- データ分析基盤のアーキテクチャの例を紹介
- 納入した機械からデータを取得
- データウェアハウスはRedshift
- Sagemakerもトライアルしているところ
- ここにLookerを入れる形となった
- 現在のLookerの利用事例について
- IoTセンサーのデータに対して、人間が定義(例:何をもって「機械が停止している」とみなすか)を決める必要がある
- 色々な定義をすぐに試して比較できる
- セオリー以外の可視化もすぐに試すことができる
- ダッシュボードの共有
- 今まではJupyter Notebookをスプレッドシートに貼り付けてメールで共有していた
- LookerはWebからすぐに共有できる
- IoTセンサーのデータに対して、人間が定義(例:何をもって「機械が停止している」とみなすか)を決める必要がある
- 派生テーブルを活用している
- 「ちょっと計算したい」というとき、DBはいじらずに、Looker上ですぐに試すことができる
- 計算ロジックが可視化されているので、メンバー同士でロジックの確認が容易
- Lookerで利用可能な「派生テーブル」を試してみる(SQL派生テーブル) #looker | Developers.IO
- Lookerの派生テーブルを永続化する | Developers.IO
- IoTデータの可視化してモニタリング
- センサーの主要な指標を確認できるグラフを作成し、監視用途で使用
- しきい値を超えたときのメール通知なども検証中
- Lookerの社内マニュアルを作成
- Lookerを使い始めた時の課題やノウハウを整備
- LookMLの開発ガイド的なものも作成中
さらなる活用を目指して
- データ分析の対象を広げたい
- 現在はIoTデータを分析している
- 今後は経営データや在庫データなども分析していきたい
- 色々な事業部と連携していく
- Looker以外の技術も併用する
- 色々な技術をトライして最適なものを見つけていく
- Lookerを広げたい
- 今はとりあえず(Lookerを)見てもらうところから
- 興味をもってもらう
- 有益さを理解してもらう
- 興味をもってもらえたら、実際に触ってもらう
- 田村氏のチームでLookerの使い方をサポートする
- 今はとりあえず(Lookerを)見てもらうところから
- 「やってみよう文化」を広げたい
- Lookerを通じて、データ分析に関して何でもやってみる…という文化を他部署に広げていく
- まずは田村氏のチームが(文化を)先導する
まとめ
セッション中に触れていただきましたが、三菱重工様のLooker活用については、PoC段階からクラスメソッドが技術支援しています。
セッションの最後に挙がった「やってみよう文化」ですが、弊社のClassmethod Leadership Principle(CLP)と通ずるところがあり、非常に驚きました(CLPの一つに「やってみる」というものがあります)。